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【週に一度は星空リビング】

プラネタリウム・プランナーのかわいじゅんこです

今日は以前、メールをいただいていた、アフロディーテとアドニスの物語をお話します。
フェキニアという国に、ミュラという王女がいました。彼女の美しさは有名で、一族の誰かが「ミュラはアフロディテよりも美しい」と言ってしまいます。怒ったアフロディーテはミュラに呪いをかけます

コレに似たお話ありましたよね・・・。神様より美しいなんて言っちゃだめなんですよ。(^^;)

さて、続けます。
その呪いとは、実の父・キニュラス王を男性として愛してしまうというもの。恐ろしい・・・
恋焦がれ、悩み苦しみ死を考えるミュラに、乳母が画策をして、一晩、王の元へミュラを送り込みます。
しかし、一晩共にしたのが実の娘と正体がばれてしまい、王はミュラを殺そうとします。

逃げるミュラは、自分の行いを恥じ、神に存在を消して欲しいと祈ります。
すると、彼女はみるみるうちに木になってしまいました。

ミュラは、身ごもっていました。木の幹の中で赤ん坊は育ち、ある日、幹が裂けて生れ落ちたのがアドニスです。その美しい赤ん坊を見つけたのはなんとアフロディーテ。

箱に入れて、冥界の女王・ペルセフォネに「中を見ないで」と預けました。ま、そういわれると開けてしまいたくなるのが心情・・・。ペルセフォネが箱を開けてみると、美しい男の赤ん坊が!彼女はアドニスを育てることにしました。でも、ペルセフォネがこの箱を開けなかったらどうなっていたのか???

少年に成長したアドニスをアフロディーテが迎えに来ます。でも、育ての親のペルセフォネも彼を手放したくない。そこで、ゼウスに仲裁にはいってもらい、1年のうちの1/3はアフロディーテと、1/3をペルセフォネと、1/3はアドニスの自由な時間とします。しかし、だんだん自分の自由な時間もアフロディーテと過ごすようになるアドニスに、ペルセフォネはアフロディーテの恋人のアレスに告げ口します。
すると、狩りの好きなアドニスはアレスの仕向けたいのししに殺されてしまいます。

アドニスの血からは、赤いアネモネが・・・。

これから、見ごろを迎えるうお座は、このアフロディーテと息子のエロスの姿です。また、アフロディーテのお話をしましょうね。

そして、今週の土曜日は十三夜。
なぜ、十三夜という丸くない月を愛でるのか?
実は、十五夜は中国から伝わったものですが、十三夜は日本独特のものなんです。
始まりは、宇多天皇ともその息子の醍醐天皇とも言われていますが、どうして十三夜なのか?
考えてみると、日本人は昔から「不完全の美」というものを好む傾向にあったからでは?
たとえば、「建物は完成と同時に崩壊が始まる」という伝承を逆手に、柱を1本逆さまにすることで、災いを避けるという意味もあったようです。吉田兼好は「徒然草」で、完全なものは決して良くはない。内裏を造るときも必ず1箇所作り残しをする。といってます。江戸時代には「瓦三枚残す」といったそうです。そういえば小学校の移動教室で日光に行った時、東照宮の陽明門の柱が1本だけ逆さまになっていました。そのときに、このようなことを説明された記憶があります。
そんなことを思いながら、土曜日の夜の月を見上げてはいかがでしょうか?
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by sb-twilighttime | 2012-10-25 23:55  

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